メカ丸の保全日和

生産技術・設備保全の備忘録

【3分でわかる】ベアリングの種類と用途を解説

どうもメカ丸です。

 

今回は"ベアリング"について書いていこうと思います。製造の現場では生産ラインなどの大きな設備からリューターなどの工具などありとあらゆるところにベアリングが使用されています。

 

ベアリングには種類が有り、それぞれの特徴があります。その特徴に合わせて用途を変えていく必要があります。今回は現役生産技術職のメカ丸が良く使用しているベアリングの種類、用途について書いていこうと思います。

f:id:hozenbiyori-mekamaru:20240202132356j:image

目次

  1. ラジアル軸受
  2. スラスト軸受
  1. ボールベアリング
  2. ローラベアリング

 

概要

ベアリングは"軸"の回転を受けて支える"軸受"とも呼ばれます。英語で"bear"は「支える」という意味でベアリングは支える物という意味です。内輪、ボール(ころ)、外輪の要素で出来ています。中のボールが回転する時の摩擦を減らしている為、滑らかに回転します。

最近では"ハンドスピナー"が流行しましたがベアリングの特徴がよく出ているかと思います。

ベアリングを使用すべき箇所に丸棒と穴だけにした場合、摩擦ですり減り摩耗します。または高速回転する箇所では発熱による焼き付きなども発生します。ベアリングは機械産業ではなくてはならない部品になります。

特に生産技術職では非常に目にする機会が多く学んでおくべき要素の一つになります。

 

荷重種類

  • ラジアル軸受

ラジアル軸受は径方向の荷重を受けます。どちらかといえばスラスト軸受より使用頻度は高い傾向かと思います。ハンドスピナーなんかもこちらのタイプの軸受になります。

 

  • スラスト軸受

スラスト軸受は軸方向の荷重を受けます。英語でthrust「推力」という意味で回転する物体の軸方向に働く力を受ける軸受けになります。

 

種類

  • ボールベアリング

外輪と内輪の間にボールが入っており、ボールが回転する事で摩擦が減り、滑らかに回転します。ベアリングの中には”保持器”といわれるボール同士ぶつかるのを防ぎ、軌道輪から外れないようにする部品が入っています。

ボールベアリングは高速回転に適している為、車や飛行機などから製造現場ではグラインダー、リューター、扇風機など数多くに使用されております。

 

  • ローラベアリング

外輪と内輪の間にローラー(ころ)といって円筒状のパーツが入っており、ボール同様回転する事で摩擦が減り、滑らかに回転します。ボールベアリングより大きな力に耐えられるようになっています。

ローラベアリングは高速回転、重荷重に対応できるため産業用や自動車など幅広く使用されています。

 

シール

ベアリングにはシールと言ってボールやころの部分を潤滑剤(グリス)とともに密封した金属、ゴムのプレートの事です。シールは外部からのゴミや水分の侵入を防ぎます

またシールの無い物は開放型と言って外部の異物侵入があまり無い箇所でグリスなどの潤滑剤が多く入れられている部分ではあえて開放している事でグリスが浸透するようになっています。

この画像はゴムシールになります。

黒色接触ゴムシールと言って内輪に接触しておらず

オレンジ赤色接触ゴムシールと言って内輪に接触しています

接触している方がより粉塵などの侵入を防ぎます。私も工具のオーバーホールをする際グラインダーを長時間使用している工程ではやはり粉塵が多いためベアリング交換時はゴムシールに変更する事があります。

この画像は金属シールになります。

摩擦が少なく高速回転に適しており密封性、防塵性はゴムシールに少し劣りますがバランスの良い性能の為、使い勝手が良いです。

 

取外しについて

ベアリングの内径は規格があり決まっています。基本的にゆるゆるだと芯が出ない為、軸に対して内径の寸法公差があります。

その為ベアリング交換の際は簡単には外れません。その時に使う工具が"ベアリングプーラー"になります。

爪の部分をベアリングの外輪に引っかけて軸を真ん中のネジ部で回しながら押し込んでいきます。注意点は必ず外輪に引っかけます。シール部に当ててしまうと簡単にへこんでしまいます。ゴムシールは元よりメタルシールでも簡単にへこみます。完全に壊れている物であれば良いですがあまり替えがなく再利用する物などは注意しましょう。

付ける時は外したベアリングや外輪に当たるような円筒の物があれば利用しましょう。

無い場合はプラスチックハンマーなどで対角に4か所ほどを均等に叩いていけば入ります。

ベアリングは金属で頑丈そうに感じますが内部は非常に高精度で作られている為、少しのへこみなどでも滑らかに回転しません。

正直ベアリングの取外しはある程度難易度がある為、慣れと経験が必要になります。

 

まとめ

今回ベアリングについての記事を書きましたが種類、規格、メーカーなどかなりある為、注意点はそれぞれ変わるかもしれませんが取り扱いはどれも一緒で想像以上に高精度で作られている為、細心の注意を払いましょう。

ボールかころ、シールの選定を間違えると付けた段階ではスムーズに回っていても交換期間が著しく短くなってしまう事もあります。工具等のオーバーホールであれば基本的には初めに付いている物を選択するのが無難かと思います。

ベアリングは”機械産業のコメ”と言われるくらい重要なパーツになります。目にする機会も多いですがその分奥が深いんだと思います。

私もせっかくなのでブログの記事にするついでにもっともっとベアリングについて学んでみたいと思います。

 

ではまた